2019年12月14日土曜日

元農水省次官の長男殺害事件の求刑に違和感

 今年2019年の6月に発達障碍のある44歳の長男を殺害した76歳の元次官への求刑は懲役8年であった。これについては違和感を感じざるを得ない。
 検察は「専門家に相談しなかった」というが今の日本国内の制度で実行可能、実行力のある方法を提案できる「専門家」がどれくらいいるのだろうか。
 報道で見聞きする犯罪の中で特異性のある事件の犯人に発達障碍があったというのは今や稀ではない。「神戸の酒鬼薔聖斗事件」「宮崎勤事件」「佐世保解剖少女事件」「名古屋毒薬女子大生事件」「秋葉原通り魔事件」「ゲーム実現ハイジャック事件」「新幹線刃物殺傷事件」「佐賀バスジャック事件」と枚挙にいとまない。
 発達障碍者が即危険な人たちと主張している訳ではない。しかしながら、適性な療育を施していくこと、生育環境の中で善良な理解者に巡り合うことが大切であり、それがないと「変わっている」とつまはじきされ、いじめられ、虐待される環境の中で自我の崩壊、心の崩壊につながり、引きこもり統合失調症、双極性障害、アルコール薬物依存といった「二次障害」につながっていくのである。
 平成15~16年頃から精神科病院から職員が要請のあった家庭に患者を入院させるために迎えに行くことが禁止されてしまった為、自宅で暴れ家族に暴力をふるう狂暴化したケースへの介入は著しく困難になっている。年老いて体力のなくなった両親、保護者は我が子を病院に連れていくこともできず、恐怖におびえながら我が家の「暴君」をおろおろとみているしかないのである。
 省庁の次官にまでなった人が政治や社会の仕組みを知らないはずはないし、実際に探してみたけど社会システムとしての救済策はなかったのではと思う。医療に持ち込むまでの物理的パワーがないところで望みは途絶えたと思う、殺すか殺されるかの環境に陥ってしまったことをこの裁判の担当検事は理解していないと思う。
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